膝の痛み

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膝の痛み

膝関節は、体重を支え、歩く、走る、座る、立つといった基本的な動作を可能にする、私たちの体で最も大きな関節の一つです。しかし、その構造上、スポーツでのケガ(外傷)や、日常生活での使い過ぎ(オーバーユース)、加齢による変化などにより、痛みや腫れ、動かしにくさといった様々な問題が起こりやすい部位でもあります。
膝の痛みは、生活の質(QOL)を大きく低下させる原因となります。当院の院長は、膝関節疾患の診断と治療(特に関節鏡視下手術)を専門としており、あらゆる年代の膝の悩みに対し、豊富な経験と最新の知見に基づいた最適な医療を提供します。

膝の痛みで整形外科を受診すべき症状

以下のような症状がある場合は、ご相談ください。

1. 痛み
  • 膝の曲げ伸ばしで痛む。
  • 歩き始めや、長時間歩いた後に痛む。
  • 階段の上り下り(特に下り)で痛む。
  • 正座やしゃがみ込みが痛くてできない。
  • 膝の内側、外側、お皿の周り、膝の裏など、特定の場所が痛む。
  • 安静にしていても痛む、夜間に痛みが強い。
2. 腫れ・熱感
  • 膝が腫れている、むくんでいる、水がたまっている感じがする。
  • 膝が熱を持っている。
3. 動きの問題
  • 膝が完全に伸びない、曲がらない(可動域制限)。
  • 膝が引っかかる感じがする、急に動かせなくなる(ロッキング)。
  • 歩いているときに膝がガクッと崩れる感じがする(膝崩れ)。
4. その他の症状
  • 膝を動かすとポキポキ、ゴリゴリといった音がする。
  • 膝の形が変わってきた(O脚やX脚が進行したなど)。
  • ケガの後から痛みや不安定感が続く。

膝の痛みの主な原因

膝の痛みの原因は多岐にわたります。
年齢や活動レベルによっても起こりやすい疾患が異なります。

加齢や変性によるもの

変形性膝関節症

日本で最も多い膝の疾患です。加齢や肥満、過去のケガなどが原因で、関節の軟骨がすり減り、骨が変形して痛みや腫れ、動きの制限、O脚変形などを引き起こします。
進行すると歩行が困難になります。

関節リウマチ

免疫の異常により膝関節に炎症が起こり、痛みや腫れ、進行すると関節破壊・変形をきたします。

ベーカー(Baker)嚢腫

膝の裏に関節液が溜まって袋状に腫れる状態です。
変形性膝関節症や半月板損傷などに伴って生じます。

ケガ(外傷)によるもの

半月板損傷(断裂)

膝関節の中にあるクッション(半月板)が、スポーツや外傷で損傷(断裂)した状態。膝の引っかかり感、痛み(特にひねり動作時)、ロッキング、腫れなどを生じます。

靭帯損傷(断裂)
前十字靭帯(ACL)損傷 スポーツで多い膝のケガの一つです。
受傷時に「ブチッ」という断裂音を感じることがあり、膝崩れや不安定感の原因となります。自然に癒合することはほとんどなく、不安定性が残存した場合は再建手術が必要となります。
後十字靭帯(PCL)損傷 スポーツや交通事故などで生じます。
保存療法で癒合する可能性があります。不安定性が残存した場合は再建手術が必要となります。
内側側副靭帯(MCL)、外側側副靭帯(LCL)損傷 スポーツや外傷で生じます。
受傷時の膝関節不安定性が強い場合は手術が必要となります。
その他の靭帯損傷や骨折に合併して生じることがあります。
膝蓋骨脱臼

膝のお皿(膝蓋骨)が外側にずれる(脱臼する)状態です。
脱臼する度に内側膝蓋大腿靭帯(MPFL)が損傷し伸びるため、反復性に移行することがあります。
その場合は靭帯再建手術が必要となります。
若い女性に多く生じます。

(外傷性)関節軟骨損傷

膝の捻挫や打撲によって関節軟骨が傷ついたり、剥がれたりすることがあります。

スポーツや使い過ぎによるもの

オスグッド・シュラッター病(Osgood-Schlatter disease)

成長期のスポーツ選手(特にサッカーやバスケットボール)に多く、膝のお皿の下の骨(脛骨粗面)が出っ張って痛む状態です。
ボールを蹴る動作やダッシュなどの膝を伸ばす動作をくり返すことで膝の下にある脛骨粗面が膝のお皿の下にある腱(膝蓋腱)によって牽引され、負荷がかかって生じます。
成長と共に治癒することが多いですが、剥離骨片を認め癒合する可能性が低い場合や成人になっても症状が残存している場合は手術となることがあります。

ジャンパー膝(膝蓋腱炎)

ジャンプ動作などの膝を曲げたり伸ばしたりする動作をくり返すことで、膝のお皿の下にある腱(膝蓋腱)に炎症が起こり、痛みが出ます。
下肢前面の筋肉や腱の柔軟性低下、体格に対して運動量が多い場合に生じやすくなります。

ランナー膝(腸脛靭帯炎)

長距離走などで膝の外側の靭帯(腸脛靭帯)が骨(大腿骨外側顆)と繰り返し接触することで炎症を起こし、膝の外側に痛みが出ます。
下肢外側の筋肉や腱の柔軟性低下、体格に対して運動量が多い場合に生じやすくなります。

鵞足炎

膝の内側下方(脛骨の内側)で、筋肉の腱が付着する部分(鵞足)に炎症が起こり、痛みが出ます。
ハムストリングの筋力低下や柔軟性低下、体格に対して運動量が多い場合に生じやすくなります。

分裂膝蓋骨

生まれつきお皿(膝蓋骨)が2つ以上に分かれている状態です。通常は無症状ですが、スポーツなどで負荷が生じることで痛みが生じることがあります。
負荷が生じると膝蓋骨が分裂している部位に軽度の不安定性が生じ、炎症が起こります。

疲労骨折

ランニングやジャンプ、ダッシュなどで繰り返しの負荷がかかり、脛骨や膝蓋骨に疲労骨折が起こることがあります。

診断と治療

診断

  • 症状、ケガの状況、スポーツ歴などを詳しく伺い、膝の腫れ、圧痛点、可動域、靭帯のゆるみ(ストレスX線撮影含む)、半月板損傷の誘発テストなどを行います。
  • レントゲン検査で骨折、変形性関節症の程度、下肢アライメント(X脚・O脚の程度)、石灰化などを確認します。立位でのレントゲン撮影も重要です。
  • 高精細な超音波(エコー)検査で、靭帯、腱、筋肉、半月板の一部、関節内の水腫(水が溜まっているか)、嚢腫などを詳細に評価します。
  • 靭帯、半月板、軟骨の状態を詳しく評価する必要がある場合は、提携病院でMRI検査を行います。

治療

保存療法
安静・
生活指導
膝への負担を減らす動作指導、体重管理、スポーツ活動の調整などを行います。
薬物療法 消炎鎮痛薬(内服、外用)、湿布などで痛みや炎症を抑えます。
装具療法 サポーターや膝装具、足底板(インソール)などを使用し、膝の安定化や負担軽減を図ります。
注射療法 変形性膝関節症に対するヒアルロン酸注射、炎症を抑えるためのステロイド注射(関節内、腱周囲、滑液包内など)、ハイドロリリースなどを行います。
リハビリテーション 膝疾患の治療と再発予防に不可欠です。理学療法士が、膝周りの筋力強化(特に大腿四頭筋)、ストレッチによる柔軟性改善、バランス訓練、歩行・動作指導、スポーツ特有の動きの練習などを、当院の広大なリハビリ室で個別に行います。
再生医療・
先端医療
変形性膝関節症、腱炎、疲労骨折に対してPRP療法、膝蓋腱炎に対して体外衝撃波療法などが選択肢となります。(※一部自費診療)
手術療法
  • 保存療法で症状が改善しない場合や、活動性の高い方の靭帯損傷(特にACL損傷)、ロッキングを繰り返す半月板損傷、進行した変形性膝関節症などに対して手術が検討されます。
  • 当院では、院長自身が提携病院で膝関節鏡視下手術(半月板縫合・切除術、前・後十字靭帯再建術、骨軟骨柱移植術など)、自家培養軟骨移植術、高位脛骨骨切り術(HTO: High Tibia Osteotomy)などを数多く手がけています。関節鏡手術は、小さな傷で低侵襲に行え、早期の回復が期待できます。
  • 変形性膝関節症に対しては、年齢や活動性に応じて高位脛骨骨切り術(骨の角度を変えてO脚を矯正する手術)や人工膝関節置換術(TKA:全置換、UKA:部分置換)が適応となります。
  • 手術前から術後のリハビリテーションまで、当院で責任を持って一貫したサポートを提供します。
膝の痛み

膝の痛みは、原因によって治療法が大きく異なります。「年のせいだから仕方ない」「スポーツをしているから痛いのは当たり前」などと諦めずに、まずは膝関節を専門とする当院にご相談ください。正確な診断に基づき、患者様一人ひとりのライフスタイルや目標に合わせた最適な治療法をご提案いたします。

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