当院は、リハビリ室に超音波検査装置を設置する予定です。理学療法士が超音波検査装置を使用することは、リハビリテーションや治療の補助において以下の通り多くの利点があります。
1. リアルタイムでの動作評価が可能
超音波検査はリアルタイムで筋肉や腱、関節などの動きを観察できるため、運動時の組織の変化や異常をその場で確認できます。動作に伴う痛みの原因や、運動制限の要因を評価する際に役立ちます。筋肉や腱の収縮状態を把握できるため、適切なリハビリ計画の立案に繋がります。
2. 軟部組織の詳細な評価が可能
超音波検査は筋肉、腱、靭帯、神経などの軟部組織を詳細に描出できるため、外傷や損傷の程度の把握が容易です。そのため、痛みや炎症の原因部位を特定し、理学療法において適切なアプローチを選択できます。
3. 治療効果の客観的なモニタリング
超音波検査を使うことで、治療前後の筋肉や靭帯の状態を超音波検査で比較でき、治療効果を客観的に評価できます。
また、治療効果を定期的に確認できるため、リハビリ内容を適宜調整し、患者の回復に合わせた最適なプランが立てることが出来ます。
4. 痛みを伴う部位の安全な評価
患部に負担をかけずに評価ができるため、痛みが強い場合でも安全に検査が可能です。痛みの原因となっている部位の周囲の状態を把握でき、無理のないリハビリ計画の策定に役立ちます。
5. 患者へのフィードバックに活用可能
超音波検査画像を患者様に見せながら説明することで、自身の身体の状態を把握し、リハビリの必要性やセルフケアの重要性を理解しやすくなります。また、モチベーション向上や積極的な治療参加を促せます。
6. 筋力や機能改善の進捗を可視化
筋肉や腱の厚み、血流の変化などを確認できるため、筋力や機能が改善しているかを視覚的に示すことができます。患者様自身も回復の過程を視覚的に把握できるため、治療に対する安心感や満足感が得られます。
7. 手技やエクササイズの効果をリアルタイムで確認可能
特定のエクササイズやマッサージなどの手技が、筋肉や腱にどのような効果を与えているかをその場で確認できます。手技の適切な強度や角度などを調整し、効果的なリハビリを行いやすくなります。
8. 非侵襲的かつ安全
超音波検査は放射線を使用しないため、X線やCT検査のような被曝がなく、妊娠中や小児の患者様でも安心して使用できます。
これらの点から、理学療法士による超音波検査の使用は、治療精度や効果の向上、患者様へのフィードバックにおいて大きな効果を発揮します。